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CYMA シーマの歴史

創業:1862年

~技術力の高さは戦場で証明された~

 シーマは1862年にスイスのジュウ渓谷ル・ロックルで、時計商ジョセフーシュワオプによって設立された。1876年にはスイスで初となるオートメーション化を果たしている。1891年には自社工場で複式ムーブメントの製造を行えるほどの技術力を身につけていた。   1903年になると超薄型アンクル懐中時計」を発表し、ニューシャテル天文台より第一級歩度証明書を受けている。'05年には薄さと低価格で評判となったCal.701を発表。'57年には8日間パワーリザーブを備えた時計を発表するなど、さらに技術力に磨きをかけていく。世界最大の時計の見本市で知られるバーゼルフェアにも'38年の第1回目から出展する常連ブランドなのである。
 さて、シーマというとつい3針モデルを思い浮かべてしまうが、'40年代にはバルジュー22を搭載した2つ目クロノグラフも製造している。面白いところではトリプルカレンダーや、'50年代に製造されたアラーム機能搭載の「TIME-O-VOX」などが挙げられる。とはいえアンティークウオッチの世界でシーマというと、やはりミリタリーウオッチは欠かせないだろう。1939から1946年にかけて大量生産し、イギリス軍と中国軍を中心に供給した経緯があるのだ。この戦争での技術力を生かしてかどうかはわからないが、'64年には耐震・耐磁・耐熱設計の防水時計「ネイビー・スター」を発表する。その斬新なデザインは'80年になってからパリのビジョウ賞を獲得するまでに至った。
 ここでシーマのこだわりを見てみたい。インカブロックを代表とする耐震装置は各メーカーによって形状が徴妙に異なっていた。つまり各社は耐震装置の専門メーカーにオリジナルのものを作ってもらっていたと推測される。じつはシーマにも「CYMATAVANNES」と「CYMAFLEX」という自らの名を冠する耐震装置が存在している。また耐震装置だけでなく、防水性においても斬新なアイデアを盛り込んできた。'40年代には角型のビス留めケースを開発したりしている。
 よく文字盤にTAVANNES(タバンまたはタバネスと発音)と書かれたブランドを見かけるが、こちらもシーマのサブブランドか、シーマと関遠のある会社のようだ。TAVANNESのムーブメントにはシーマのものが搭載されている。なかにはお互いの頭文字をとった”TA-CY"というレアなWネームも見かける。

「ウオッチ・ア・ゴーゴー No.38」より引用