1946年にイギリス政府機関である植民地調査総局「Directorate of Colonial Surveys(DCS)」が設立され、イギリス植民地の調査を行っていました。1957年になると、英国領の多くが脱植民地化したことに伴い、海外調査総局「Directorate of Overseas Surveys(DOS)」と改名。1984から1991年までは海外測地総局「Overseas Surveys Directorate(OSD)」としてイギリスの植民地、保護領の測地、地図作成を担う中央官庁となりました。この個体は、1960年のDOS時期に支給されたレアピースです。見た目は1960代後期に支給された同ブランドのモデル(961-4045)とほぼ同じですが、ムーブメントは1956年にイギリス空軍に支給されたスミス製のモデル(101000)と同じキャリバー27.CS.を搭載。NATOコードは「6645-99-910-1000」で1960年代にイギリス空軍に納入されたハミルトンのラウンドモデル(前期)と同じで、ノンハック(秒針規制装置なし)になります。後年のスミスと違い、文字盤のクオリティーは高く、厚みのあるしっかりとしたプリントです。文字盤はよく見ると写真に写り込まないほどの経年変化が見られますが、全体的に綺麗です。ケースは裏蓋に若干のオープナー傷が見られますが、綺麗です。ムーブメントは後年モデルとは異なる耐震装置を装備。分解掃除済みで日差30秒以内で稼働しています。ベルトはフェニックス社のNATOナイロンベルトを装着しています。