第二次世界大戦でアメリカ陸軍航空隊(U.S.Army Air Corps)に支給されたタイプA-11の最初期型、ロンジンのホワイトダイアルです。タイプA-11は1940年に標準品として支給されました。エルジン社製が多く、同時期に支給されたロンジンやルクルトのウィームスタイプのA-11と同様、最初はホワイトダイアルでした。ホワイトダイアルは1942年頃までと思われ、その後、ブラックダイアルに変更されています。この個体は1941年に支給されたもので、裏蓋に刻印が見られます。ブラックダイアルのタイプと比べ、圧倒的に数が少なく、レアモデルです。さらにロンジン製となると、激レアと言って良いでしょう。タイプA-11はナビゲーションハックウォッチで、ハック機能が搭載されていなければなりません(ウィームスタイプはベゼルで対応)。本機に搭載されているムーブメントはロンジンのキャリバー12L(12.68N)で、通常、ハック機構はありません。でずが、こちらはハック機構が付け加えられたもので、ロンジンのムーブメントとしてもレアと言えます。文字盤は少々の経年変化、小傷がありますが、非常に雰囲気が良いです。針はブルーススチールで綺麗な青色をしています。ケースは裏蓋に若干のメッキの剥がれがありますが、それほど気にならないと思います。リューズにはアタリ傷があります。ベルトは当時、米軍が使用していたコットンベルトを装着。分解掃除済みで日差30秒程度で稼働しています。