創業:1926年
~世界初の自動巻き腕時計を1926年に発表~
イギリスの時計職人ジョン・ハーウッドが自動巻きの研究を始めたのは1910年頃だ。20年代から30年代にかけて各社はさまざまな自動巻き機構を考案し、製品化しようと試みていた。'22年にジョン・ハーウッドは世界に先駆けてローターの回転を利用してゼンマイを巻き上げるという画期的な機構を開発し、特許を取得する。この半回転式の自動巻き機構を製品化に踏み切ってくれるメーカーはイギリスにはなかった。
そんな折、1912年にスイスのグレンフェンで設立したフォルティス社が製品化に興味を示した。創設者のヴァルター・フォグトにしても時計メーカーとしては後発組のため、何か新しい試みを探していたのだ。ハーウッドの話を聞いてフォグトは即座に製品化を決めたという。そして”ハーウッド・セルフワインディングー・ウォッチ・カンパニー”を設立する。エボーシュメーカーであったAS(アドルフ・シルド)の協力を得て、'26年のバーゼルフェアで世界初の自動巻き腕時計を発表する。「ハーウッド・システム」と名付けられた時計にはリュウズが見当たらない。これは自動巻きを強調するためのアイデアなのだ。なぜだがこの時計は製造本数が少なく1万4000個のみだった。
また”ハーウッドーセルフワインディング~”は30年代頃に手巻き式「オートリスト」を開発している。これは手首を動かすことで、本体のラグがクネクネと動き、自動的にゼンマイを巻き上げる斬新なものだった。この会社はまだあるのだろうか?
「ウオッチ・ア・ゴーゴー No.38」より引用
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